含硫黄配位高分子は、その優れたキャリア移動特性のため光触媒や各種電子デバイスとしての応用が期待される一方で、磁気的性質である“スピン”の特性は十分には活かされていない。本研究課題では、マテリアルズインフォマティクスに基づく手法を活用することで、マンガン二価イオンおよびコバルト二価イオンから成る新規含硫黄配位高分子の合成および結晶化に成功した。各種物性評価の結果、一連の化合物は金属-硫黄結合に基づく半導体特性と金属中心に基づく磁気特性の両方の性質を示すことが明らかになった。本研究を通じて得られた知見は、配位高分子を物質基盤とする全く新しいスピントロニクス材料の開発に繋がると期待される。
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