研究課題/領域番号 |
22K14731
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
石崎 裕也 立教大学, 理学部, 助教 (00939043)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | イオンダイオード / 高分子電解質 / イオン輸送 / ナノ多孔質薄膜 / 超薄膜 / 整流特性 / ハイブリッド / 有限要素法 |
研究実績の概要 |
本年度は、ナノ多孔質超薄膜と高分子電解質交互積層膜からなるハイブリッド積層体の界面構造および界面物性の評価を行った。その結果、走査型電子顕微鏡観察により、ナノ多孔質支持基板上に約80 nmのハイブリッド積層体が形成されていることが分かった。また、X線光電子分光測定の結果から、使用した二種類の高分子電解質が相互介入し、膜厚方向に均一に分布していることが明らかとなった。さらに、表面ゼータ電位測定の結果から、ハイブリッド積層体が高いpH応答性を示すことを明らかにした。以上の結果から、ハイブリッド積層体の表界面特性を明らかにした。つづいて、前年度に確立した自立膜作製手法を用いて薄膜イオンダイオードの作製およびイオン整流特性の評価を行った。電流-電圧測定の結果から、高イオン強度および中性pH下の条件ではイオン整流特性を示さなかったものの、低イオン強度およびpHが非対称の条件下では高いイオン整流特性を示し、これまでに報告された100 nm以下の薄膜イオンダイオードにおいて最高性能のイオン整流特性を示すことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載の通り、本年度の研究実施計画に記載した内容を十分に達成することができた。また、本研究で目指している動的界面制御による応答性イオンダイオードの整流特性制御に向け、新たに有限要素法解析ソフトウェア(COMSOL Multiphysics)を導入し、実験および計算の観点から研究計画を遂行する準備が整っている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、薄膜イオンダイオードの素子構造および素子特性間の相関を実験および有限要素法解析を用いて明らかにする。さらに、これまでに得られた成果を学会・論文発表にて公表する。
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