研究実績の概要 |
1. 電荷貯蔵能と温和な分解能の双方を併せ持つ有機・高分子レドックス材料の創製とリサイクル可能な環境適合電池の開発 1年目に創製した電荷貯蔵能と温和な分解能の双方を併せ持つ有機・高分子レドックス材料であるビオロゲン誘導体を負極活物質、さらにフェナジン誘導体を正極活物質、食塩水を電解液にした、使用後もリサイクル可能な有機二次電池を創製した。これらの成果をまとめた論文を、現在、国際科学誌に投稿・修正中である。 ポリアリルアミンに有機レドックス分子を置換することで、親水性の有機レドックス高分子を合成した。同高分子を、特定の酸性水溶液に浸漬させることで、分解させるができ、もとのポリアリルアミンと有機レドックス分子に戻ることを実証した。これらの成果をまとめた特許を出願中である。今後の研究で、種々の有機レドックス分子を置換した高分子を合成し、それらを正極・負極としたリサイクル可能な有機二次電池に展開予定である。
2.有機レドックス多孔質材料の創製と有機多孔質材料ーマンガン電池の実証 1年目の成果を基に、有機レドックス分子の一種である9,10-フェナントレンキノンを構成要素とする有機多孔質材料を新規に合成した。同多孔質材料自体は導電性を持たないため、その空孔内で導電性高分子を重合することで導電性を付与した。同材料は、同材料を負極として使用し、革新的な有機多孔質材料ーマンガン電池をはじめて実証した。これらの成果をまとめた論文を、現在、国際科学誌に投稿・修正中である。なお、本成果の一部は、スウェーデン・ウプサラ大との共同研究によるものである。
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