研究課題
若手研究
地球環境負荷の低減に向けて、材料として環境適合な合成法に加え、使用後に原料へ分解できる持続可能な材料の開発が望まれている。本研究では、可逆に酸化還元する部位をもつ有機レドックス高分子における授受反応に基づく電荷・水素の輸送・貯蔵現象(機能)を起点として、そこに新たに“材料分解”の観点を加えた。安定なエネルギー貯蔵を可能とする強固な結合・構造の形成と使用後の温和な分解との相関を解明し、両立させることでレドックスに係る持続可能な有機・高分子材料を設計した。
高分子材料
従来、有機・高分子材料の研究は、安定な機能の発揮に向けた強固な結合・構造の形成に注力されてきたため、分解に関してはほとんど未開拓であった。他の材料と比較した際の有機・高分子材料の優位性を明示するため、材料機能そのものに加え分解に着目し、電荷貯蔵能と温和な分解の相関解明を達成するという目標に独自性があり、学術的意義がある。電荷貯蔵能と温和な分解を両立した有機・高分子材料の設計に創造性があり、同材料を用いたリサイクル可能な有機デバイスを構築することに社会的意義がある。