研究課題/領域番号 |
22K14739
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
松本 道生 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, 研究員 (90843110)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 多次元高分子 / イオン性物質 / 合成高分子 |
研究実績の概要 |
本研究はイオン性の置換基を主骨格に導入した共役2次元ポリマーの段階的なボトムアップ合成法を新たに確立し、自在にイオン種を空間配置できる物質合成法の確立を目指している。特に、種々の置換基を自在に結晶性多次元ポリマーに導入することができる共有結合性有機構造体(Covalent Organic Frameworks,COFs)を利用し、イオン性置換基を自在に構造内に導入することで、COFの物性変化を検証し、その学理を明らかにする。一年目のイオン性部位を導入することのできるヘテロ原子を含む構造体の検証に引き続き、二年目の23年度はヘテロ原子の構造体に関して種々の構造変化に関する検証を行った。特に一年目の検証をきっかけに、シリル化合物を含む様々なユニット分子を合成することで検証を深め、報告例のない新規な集積構造を発現する系を発見することが、粉末X線回折、X線単結晶構造解析、赤外分光法、固体紫外可視光吸収などの分析手法を組み合わせることで明らかにできた。これらの得られた新規構造に関して、ポスト合成的手法によるイオン化反応も引き続き検討を行っており、狙いの物質群のレパートリーを当初の想定よりも大幅に増やすことに成功した。次年度も引き続き、得られた物質群の機能開拓を目指し、各種の伝導度測定や光学特性評価などの物性測定を行う。さらには得られた物質を元とするデバイスの作成にも挑戦することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の想定にはなかった新規の構造の開発に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り、初年度と2年度を通して狙いの物質群のレパートリーを当初の予定以上に増やすことに成功した。次年度も引き続き得られた物質群の機能開拓を目指し、各種の伝導度測定などの物性測定を行うことを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の想定以上の研究の進展を示したため、物品購入を一時的に延期し所属機関内の共用装置を用いて研究を進展させたため差額が生じた。これまでの進展に応じて翌年度以降、弾力的に予算を執行する予定である。
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