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2022 年度 実施状況報告書

海流MHD発電・水素製造用新規電極の開発に向けた海水電解反応機構と磁場の影響解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K14764
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

青木 誠  お茶の水女子大学, ラジオアイソトープ実験センター, 特任助教 (40796059)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード海流MHD発電 / 水素製造
研究実績の概要

本研究は、海洋再生可能エネルギーを活用した海流MHD(Magneto-Hydro-Dynamics)発電に着目し、海流MHD発電・水素製造用の新規電極の開発指針を得ることを目的としている。海流MHD発電中には海水の電気分解が進行しカソードで水素が発生するため、発電と同時に水素を製造することが可能である。しかし、アノードでは塩化物イオンが関与した副反応が進行し、有害物質発生や電極劣化などの問題を引き起こす。海流MHD発電・水素製造の実用化のためには、海水電気分解反応機構を解明し、水素発生効率向上および副反応の抑制を達成することが必須である。
電極反応において重要なファクターである反応活物質の吸着サイトや吸着の強さは、電極表面の原子配列などの電極表面構造に依存する。そこで、白金単結晶電極を用いて3.5 % NaCl水溶液中で電気化学測定を行い、酸化および還元反応の電極表面構造依存性について検討を行った。その結果、Pt(111)に比べPt(100)の方が水素発生反応活性が高く、水素発生電極触媒としては高効率と言えるが、副反応によって生成した残留塩素濃度もPt(100)の方がわずかに高いことが分かった。
また、海流MHD発電は強磁場下で進行するため、磁場が海水電気分解反応に影響を及ぼし、水素や有害物質の発生効率が変化すると考えられる。そこで、溶液中のイオンにローレンツ力が働くように設計したチャンネルフロー電気化学セルを使用し、3.5 % NaCl水溶液フロー・磁場印加条件下で電気化学測定を行い、水素発生効率の変化を観測した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、2種類の白金単結晶電極での電気化学反応測定を行い、海水の電気分解のカソードおよびアノード反応が電極表面構造依存性を確認すること成功している。また、磁場印加条件下での電気化学測定も実施することができた。

今後の研究の推進方策

海水電解のアノード反応について、より詳細に検討を行う。アノード反応では、塩化物イオンと水酸化物イオンが関与する酸化反応が起こるので、NaCl濃度を変えた溶液や、塩化物イオンを含まない硫酸ナトリウム水溶液での電気化学測定を行い、Pt(111)とPt(100)電極での残留塩素濃度の違いなどをより定量的に明らかにする。また、磁場印加条件下でも同様の実験を行い、塩化物イオンが関与する反応と、水酸化物イオンが関与する反応それぞれが磁場から受ける影響についても検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Study of Electrode Surface Structure for the Improvement of the Seawater Electrolysis Efficiency and Reaction Selectivity2022

    • 著者名/発表者名
      Makoto Aoki
    • 学会等名
      The 12th Kobe University Brussels European Centre Symposium
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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