本研究では、多価不飽和脂肪酸代謝物を自在かつ簡便に合成する手法を確立し、炎症を制御する受容体の制御機構や構造活性相関の調査を目指した。研究成果として、多価不飽和脂肪酸代謝物の効率的合成に向けて種々の検討を行ない、多価不飽和脂肪酸の鎖長やオレフィンの数・位置、末端構造を制御して合成する方法論の開拓に成功した。本手法を用いることで従来は数週間から数ヶ月もの時間が必要であった合成を半日から数日という短期間で完了することができるようになった。さらに合成した多価不飽和脂肪酸類の炎症に関与するGPCRに対する活性化能を評価しFFAR1/GPR40を強く活性化する脂肪酸を見出すことに成功した。
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