分子ナノカーボンは、現在、その特異な性質から工学を始め様々な分野で利用され、生物医学への応用可能性が示され、より複雑な未踏・新奇な分子ナノカーボンの精密設計・合成法が確立している。また、位置選択的に官能基を付与することで新たな物性や機能が見出されているが、適用可能な分子は限定的である。本研究では、昆虫が有する異物代謝能力に着目し実験を進めることで、機能化反応に関与する酵素タンパク質とその機能解明に成功した。本成果は、これまで有機合成的手法や物理的手法による合成・変換が「常識」であった分子ナノカーボン分野に「昆虫を用いた機能分子創製」という新たなオプションを提示する大きな第一歩である。
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