本研究では、システインパースルフィド (Cys-SSH) の生理的意義の探求を目指し、均一なCys-SSH含有ペプチド (タンパク質) の調製法の開発、安定性評価およびフォールディングに及ぼす影響を検証した。その結果、トリフェニルメタンチオールをSS結合によりCysに導入することで、酸処理のみによりCys-SSH含有ペプチドの調製に成功した。一方、Cys-SSH含有ペプチドは酸性条件においても不安定であった。グルタチオンとのトリスルフィド結合を有するペプチドを等価体としてフォールディングを試みたところ、チオールペプチドと比較して顕著にフォールディング速度が向上することが明らかとなった。
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