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2022 年度 実施状況報告書

非破壊的根粒共生可視化系の開発による根粒共生窒素抑制の時空間制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K14807
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

西田 帆那  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究員 (70832509)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード根粒共生 / 植物微生物相互作用 / 窒素栄養 / 硝酸応答
研究実績の概要

マメ科植物に見られる根粒共生は土壌中の窒素栄養に応じて抑制される。先行研究から、ミヤコグサNLP転写因子が窒素栄養に応答した多面的な根粒共生制御を可能にする転写制御系の中心的な役割を担うことが明らかになった一方、NLP転写因子による遺伝子発現制御によって影響を受ける根粒共生過程の詳細は不明点が多い。本研究では非破壊的な根粒共生の可視化系を新たに構築して窒素栄養条件下での根粒共生を連続的かつ詳細に観察するとともに、根粒共生関連遺伝子のライブイメージングを行い時空間的発現パターンを解析することにより、窒素栄養による遺伝子発現制御と根粒共生抑制現象の関連性を明らかにし、根粒共生における窒素応答をより深く理解することを目指す。
本年度はミヤコグサの根粒共生過程を非破壊のまま連続的に観察するための可視化系を構築した。蛍光ラベル根粒菌をミヤコグサに感染させ構築した可視化系を用いて観察を行った結果、植物を土から掘り起こすことなく感染糸の形成や根粒の発達を経時的に観察することができた。また根粒形成への関与が明らかにされているオーキシンの応答性レポーター(DR5::GFP-NLS)を発現するミヤコグサ形質転換体に蛍光根粒菌を感染させ、構築した非破壊的可視化系用いてタイムラプスイメージングを行った。その結果、根粒菌の感染に同期したオーキシンの時空間的な蓄積パターンを観察することができ、構築した可視化系をもちいることで根粒共生中のレポーター応答を非破壊かつリアルタイムに追跡することが可能となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

土壌中の根粒共生の経時観察が可能な非破壊的可視化系を構築して根粒共生中のリアルタイムなレポーターアッセイを行うことができ、本研究の中心となる遺伝子発現と根粒共生現象の関連性を解析するための基盤を構築することができたため。

今後の研究の推進方策

根粒共生関連遺伝子のプロモーターレポーターを導入したミヤコグサ系統を作出し、非破壊的可視化系を用いたライブイメージングにより、無窒素条件下での根粒共生過程における各遺伝子の発現動態を可視化・カタログ化する。また、無窒素および硝酸添加条件下での根粒共生関連遺伝子の時空間的発現パターンを比較するとともに、感染糸形成、細胞分裂過程の比較観察から、窒素栄養によって制御される根粒共生過程を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

可視化系構築のための条件検討が予定よりも順調に進み、使用する予定であった材料費が少なく済んだため次年度の形質転換体作出のために使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Lotus japonicus NLP1 and NLP4 transcription factors have different roles in the regulation of nitrate transporter family gene expression2022

    • 著者名/発表者名
      Hanna Nishida、Takuya Suzaki
    • 雑誌名

      Genes & Genetic Systems

      巻: 97 ページ: 257~260

    • DOI

      10.1266/ggs.22-00104

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Development of a live imaging system for visualizing legume-rhizobium interactions2023

    • 著者名/発表者名
      Hanna Nishida, Yoshikazu Shimoda, Haruko Imaizumi-Anraku
    • 学会等名
      第64回日本植物生理学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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