研究課題/領域番号 |
22K14822
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
永沢 亮 愛知医科大学, 医学部, 助教 (00933730)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 微生物培養 / コロニー形成能 / 未培養微生物 / 難培養微生物 |
研究実績の概要 |
寒天平板培養は、自然環境中の微生物を分離する手法として最も一般的で簡便な手法である。しかし、寒天培地上の環境と自然環境には大きな乖離があり、コロニー形成能を持たない多くの微生物を取り逃してしまう。微生物の寒天培地上での生育可否を決める要因を解明し培養方法を改良することで、新奇微生物の取得や新たな微生物機能の発見につながるという考えのもと研究を進めた。 本研究では大腸菌を主な研究材料としてコロニー形成能を司る遺伝子を明らかにし、寒天平板培養でより多くの微生物を取得する手法開発に役立てることを目指した。大腸菌変異株ライブラリを作製し、その中からコロニー形成能に欠陥がある細胞を取得することを計画した。当初予定していた変異菌株の1細胞単離手法では細胞へのダメージが大きく、多くの細胞が死滅あるいは増殖不可能状態に陥るという問題が生じた。そこで、一細胞分離手法の見直しをはかり、いくつかの目的菌株を取得することに成功した。得られた菌株の変異挿入箇所も特定でき、コロニー形成能を司る遺伝子の候補がピックアップできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析に必要なライブラリ作製とスクリーニングを完了することができた。当初予定していた実験手法でのスクリーニングはうまくいかなかったものの、すぐに代替案に切り替えたため、おおむね計画通りの進捗といえる。
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今後の研究の推進方策 |
コロニー形成能を司る候補遺伝子がピックアップできたため、野生株バックグラウンドで当該遺伝子の欠損株や発現誘導株を作製し確認実験を進める。また、それらの遺伝子の発現パターンを解析し、コロニー形成不可株やコロニー形成能低下株を再び培養可能状態へと復帰させる方法について検討したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度途中での所属研究機関異動があり、当初参加する予定であった学会に参加することができなかったため、次年度使用額が生じた。繰越額は消耗品購入費用に充てる予定である。
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