• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

古細菌が持つ独特なヌクレオチド除去修復機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K14832
研究機関九州大学

研究代表者

白石 都  九州大学, 薬学研究院, 助教 (00813940)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード古細菌 / アーキア / ヌクレオチド除去修復 / DNA修復
研究実績の概要

本研究は超好熱性古細菌が持つ紫外線損傷修復機構を明らかにすることを目的として進めている。紫外線損傷DNAに特異的に結合するタンパク質の網羅的同定を行った。ビオチン化した(6-4)光産物を含む損傷型と非損傷型の二本鎖DNAを用意し、超好熱性古細菌Thermococcus kodakarensis細胞抽出液からこれに結合するタンパク質を精製した。LC-MS/MS解析により、核酸結合性因子とその関連因子と考えられるタンパク質や機能未知タンパク質を多数同定した。その中から損傷塩基を含むDNAを使用した特に高いスペクトルカウント数を示したタンパク質とその関連因子を抽出した。現在、これら候補タンパク質の配列情報や既知の機能を基に、順次遺伝子クローニングを進めている。一部のタンパク質については大腸菌発現系を用いて組換えタンパク質として高純度に精製できた。生化学的解析から既知の酵素活性を保持していることが分かったので、これから損傷塩基あるいはそれを模倣したDNA基質に対する酵素活性を調べる予定である。損傷塩基を含むDNAを用いたスクリーニングと並行して、真核生物型ヌクレオチド除去修復関連因子XPBの古細菌型オルソログの機能解析も進めている。T. kodakarensis抽出液に存在するXPB相互作用タンパク質を、抗XPB抗体と組換えXPBを用いて回収した試料をLC-MS/MS解析した結果から、T. kodakarensis XPBに結合する可能性のあるタンパク質を同定することができた。現在、XPBと推定相互作用候補タンパク質との直接結合が検出できるかどうかを調べるため、酵母ツーハイブリッド法を用いた解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

紫外線損傷DNAに特異的に結合するタンパク質のスクリーニングは順調に進行し、興味深い因子が多数ヒットしてきている。生化学的機能解析に進めるために、一部の候補因子については問題なく組換えタンパク質として高純度に精製でき、既知の酵素活性を保持していることを分析できた。ただ現時点では損傷特異性を持つかどうかのin vitroでの機能解析までは進められていない。XPB相互作用タンパク質の解析については、スクリーニング結果から興味深い因子を多数同定できており、酵母ツーハイブリッド法を用いたXPBとの相互作用解析を開始している。以上、本研究の目的達成に向けて着実に研究を進めている。

今後の研究の推進方策

紫外線損傷DNAに特異的に結合するタンパク質を同定しているが、まだ一部の候補タンパク質を組換えタンパク質として精製できていないものがあるため、それを進める。精製タンパク質として調製できている候補因子については、真核生物型ヌクレオチド除去修復機構が修復対象とするDNA基質を用いて、各精製タンパク質の基質結合能、損傷認識や酵素活性を調べる。必要であれば、より厳しい条件でスクリーニングを再度行い、損傷を認識するタンパク質の同定を試みる。真核生物型ヌクレオチド除去修復関連因子XPBの古細菌型オルソログの機能解析に関しては、現在進行中の酵母ツーハイブリッド法を用いたXPBと推定XPB相互作用タンパク質の相互作用解析を進める。陽性クローンは組換えタンパク質として調製し、in vitroでの相互作用解析を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アーキア研究から見出された新しいDNA修復因子と機能2022

    • 著者名/発表者名
      白石 都
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi