研究課題/領域番号 |
22K14852
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
寺田 祐子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80767632)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 辛味 / TRPV1 / 3Dモデル / 口腔内 |
研究実績の概要 |
一年目は、官能評価とヒト3D口腔モデルの構築を実施した。 1)スパイス成分における、辛味強度とTRPV1応答との矛盾の解析。強辛味TRPV1アゴニストと低辛味TRPV1アゴニストについて、辛味強度の官能評価と、ヒト辛味受容体TRPV1の応答評価を実施した。解析の結果、カプサイシンやピペリンのように辛味が強くかつ、TRPV1応答が強いアゴニストと、オルバニルや10-ショーガオールのように辛味が弱いにも関わらず、TRPV1応答が強いアゴニストがあることを示した。本解析により、TRPV1アゴニストは、辛味強かつTRPV1応答強のグループと、辛味弱かつTRPV1応答強のグループの2群に大別できることおよび、辛味強度とTRPV1応答との矛盾を示すことができた。 2)TRPV1応答を指標とする辛味評価を可能とするヒト口腔内モデルの構築。in vitro辛味評価系の構築を目指して、TRPV1応答が官能と一致する評価系を構築を試みた。具体的には、ヒト口腔細胞をカルチャーインサートに三次元培養し、従来のTRPV1応答評価系に組み込む独自のアプローチを検討した。カルチャーインサートのメーカー、膜の材質、膜孔の検討、細胞種、培養日数、培地組成などを詳細に検討することで、TRPV1応答が官能と一致するヒト3D口腔モデルの構築に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度に計画していた、ヒト3D口腔モデルの構築に成功した。官能評価とTRPV1応答評価の試験は当初計画していなかったが、本年度に実施したことで、辛味強度とTRPV1応答の不一致性を示すことができた。これにより、本研究で構築したヒト3D口腔モデルの必要性を、より明確にアピールすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、今年度に構築したヒト3D口腔モデルについて、詳細な解析を行う。具体的には、辛味TRPV1アゴニストおよび無辛味TRPV1アゴニストの3Dモデル透過率の違い、経上皮電気抵抗値の測定、免疫染色による組織観察などを実施する。
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