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2022 年度 実施状況報告書

植物において乾燥ストレス情報を統括する分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K14864
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

相馬 史幸  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 研究員 (50869097)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワード乾燥ストレス / シグナル伝達 / タンパク質キナーゼ / 耐性作物
研究実績の概要

環境の劣悪化が進む中で、食糧生産を維持するためにはストレス耐性作物の作出が急務である。そのためには、植物が本来持つストレス耐性獲得機構を理解し、応用することが重要であると考えられる。本研究では、乾燥ストレスの初期および感知に関与するタンパク質因子の同定と、その改変による作物への応用の可能性を検討する。
最初に、これまでシロイヌナズナの乾燥ストレス応答の初期においてRAFタンパク質キナーゼが中心的に機能することを示し、現在論文投稿中である。次にそのRAFタンパク質キナーゼの制御因子の探索を行なった。相互作用解析や逆遺伝学的な解析により、いくつかのRAF制御候補因子が得られた。現在その候補遺伝子が欠損した多重変異体の作製を行なっており、完成順に乾燥ストレス評価を行なった。今年度は得られた多重変異体を用いて、網羅的な遺伝子発現解析や、下流であるRAFやSnRK2タンパク質キナーゼの活性化試験を行う。一方、作物への応用を展開するために、イネにおいてRAFキナーゼの改変が乾燥ストレス耐性に及ぼす影響を評価した。最初に、RAF遺伝子をゲノム編集で改変したイネ個体を作出した。予備試験ではRAF遺伝子の改変により乾燥耐性が変化する傾向が観察できた。しかし、得られた後代イネの種子数が少ないため種子増殖を行い、再試験する必要があると考えられる。本研究によりイネなどの作物においてもRAFの機能が重要である可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

RAF遺伝子改変イネ個体をゲノム編集により複数作出したが、生育環境が悪く、得られた種子数が非常に少ない。そのため、ストレス耐性試験を行うことが困難であった。今後は生育条件を見直して種子増殖を行い、再試験を行う必要がある。

今後の研究の推進方策

引き続き、シロイヌナズナのRAF制御因子候補の多重変異体の整備及び評価を行う。同時にRAF改変イネの種子増殖や、新たな改変体を作出し、RAF改変により干ばつ耐性を作物に寄与できるかを検討する。

次年度使用額が生じた理由

シロイヌナズナ多重変異体の作出及びイネゲノム編集個体の作出に想定以上に時間を費やした。そのため、植物体を遺伝子発現解析を行う計画が遅れており、予算執行が遅れた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Identification of upstream kinases that regulate SnRK2 kinases in Arabidopsis2023

    • 著者名/発表者名
      Fumiyuki Soma, Fuminori Takahashi, Satoshi Kidokoro, Haruka Kameoka, Takamasa Suzuki, Yusaku Uga, Kazuo Shinozaki, Kazuko Yamaguchi-Shinozaki
    • 学会等名
      The 33rd International Conference on Arabidopsis Research
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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