昆虫ではオス宿主を特異的に死亡させる“オス殺し”を起こす共生ウイルスが報告されている。ハスモンヨトウに共生するオス殺しウイルス(SlMKV)はゲノムに僅か7つの遺伝子のみを持つことが明らかになった。そこで本研究では、遺伝子組換えカイコを利用した解析、および卵巣移行性組換えタンパク質を利用した解析によりオス殺し遺伝子の特定を試みたが、いずれの手法でも特定には至らなかった。今後オス殺し遺伝子を特定するには、複数の遺伝子が機能してオス殺しを起こす可能性や、タンパク質ではなくウイルスRNAがオス殺しを引き起こす可能性などを考慮して解析を進める必要があるだろう.
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