研究課題
本研究では、域外保全に求められる遺伝的管理の課題を解決するために、健全な飼育個体群の形成を目的に、①ゲノムワイド解析による分子遺伝学情報と血統登録情報と統合し、より適切な繁殖計画を立案する。また、新たな遺伝的管理の指標となりうるエピゲノムについて、②エピゲノム情報を集積し、表現型との関連性を解析し、遺伝管理及び域内保全への応用を目的としている。研究はグレビーシマウマ(Equus grevyi)とフンボルトペンギン(Spheniscus humboldti)を主な対象とするが、遺伝情報の整備についてはその他の希少動物についても実施する。主な対象種であるグレビーシマウマとフンボルトペンギンにおいて、ロングリードシーケンスとショートリードシーケンスを用いて、高精度なドラフトゲノムを作製した。また、当初計画の対象種に加えて、ヤブイヌ(Speothos venaticus)においてもドラフトゲノムを作製した。飼育個体群の遺伝的多様性の解析(2023年度以降も継続)については、グレビーシマウマ5個体、フンボルトペンギン2個体、ヤブイヌ4個体の全ゲノム配列を取得した。また、国内で遺伝情報の少ないニシゴリラ(Gorilla gorilla)、アジアゾウ(Elephas maximus)エピゲノム解析については、生育ステージの異なるフンボルトペンギン3個体において全ゲノムバイサルファイトシーケンスを実施し、加齢によるメチル率の変化について解析した。さらに、グレビーシマウマの遺伝情報を基に作成したマイクロサテライトマーカーを用いて、サバンナシマウマ(Equus quagga)において、亜種判別・雑種判別の可否について検討した。
2: おおむね順調に進展している
試料収集はやや遅れているが、新たに共同研究を開始したことにより、バイオインフォマティクス解析を想定以上に進捗させることができた。
解析個体数を増やすとともに、遺伝子多型やメチル化率と飼育データや診療データとの関連性について解析を進める。
遺伝子解析の安価な期間に発注できたこと、共同研究機関にNGS機器があったため外注予定のものが試薬購入のみになったため。遺伝子解析を行う種・点数を検討し、研究を進める。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Molecular Ecology Resources
巻: - ページ: -
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