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2023 年度 研究成果報告書

低栄養が植物プランクトンの強光防御機構および分類群組成に及ぼす影響

研究課題

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研究課題/領域番号 22K14937
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分40030:水圏生産科学関連
研究機関広島大学

研究代表者

小原 静夏  広島大学, 統合生命科学研究科(生), 特任助教 (10878276)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワード植物プランクトン / 貧栄養化 / 強光阻害 / 非光化学消光 / 分類群組成 / 珪藻類 / 鞭毛藻類 / 瀬戸内海
研究成果の概要

海の主要な基礎生産者である珪藻と,漁業に有害な種を含み物理的鉛直移動が可能な鞭毛藻を対象とした。珪藻8種と鞭毛藻3種の種ごとの強光防御機構(NPQ)の最大値を比較し,珪藻1種と鞭毛藻1種のNPQ能が低かった。これら2種はNPQ以外の強光回避機構(鉛直移動による物理的回避を含む)を持つことが示唆された。続いてこれら11種について,リン制限下におけるNPQ変化の違いを比較し,珪藻の内の多くが低栄養と強光の複合ストレスに弱い傾向があること,珪藻にも鞭毛藻にも貧栄養かつ強光下に有利な種と不利な種が混在していること,同じ属でも種によってこの複合ストレスへの応答が異なる場合があること,が示唆された。

自由記述の分野

浮遊生物生態学

研究成果の学術的意義や社会的意義

強光防御機構である非光化学消光(NPQ)に着目した研究は陸上植物では盛んである。本研究で対象とする珪藻についてもいくつか研究例があるが,その多くは干潟の底生珪藻や極地に生息する種に関する研究で,瀬戸内海のような沿岸域に代表的な浮遊性珪藻類や鞭毛藻類のNPQ能に関する知見は不足している。一方,瀬戸内海では珪藻類減少による生産力の低下や有害な鞭毛藻類赤潮による漁業被害に悩まされており,植物プランクトン種遷移をコントロールしうるNPQ能の違いを理解することは,基礎生産力低下の要因や有害鞭毛藻類赤潮の発生機構の解明に繋がると期待される。

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公開日: 2025-01-30  

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