本課題は、サンゴ稚ポリプの骨格形成がリン酸塩により直接阻害されることや、リン酸塩が石灰質の底質に蓄積することを明らかにした知見に基づき、「陸域負荷がサンゴの生育に及ぼす影響の実態解明」を目的とし、1) 蓄積型栄養塩を含む陸域負荷の詳細な実態解明、2) 底質に含まれる急性毒性物質の探索、3) リン酸塩が骨格形成に与える分子機構の解明を行った。調査の結果、石西礁湖などで、高濃度のリン酸塩が吸着していることが確認され、これらの地点ではサンゴ稚ポリプの骨格形成や生存率が低下した。重金属がサンゴの生存率に悪影響を与えることが示され、遺伝子実験でもリン酸塩負荷による遺伝子発現量の低下が確認された。
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