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2022 年度 実施状況報告書

ブリノカルジア症のワクチン開発に向けた細胞性免疫を誘導する感染防御抗原の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K14952
研究機関国立研究開発法人水産研究・教育機構

研究代表者

松浦 雄太  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 任期付研究員 (40823894)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードノカルジア / 細胞性免疫 / 感染防御抗原 / 細胞内寄生細菌
研究実績の概要

ブリのノカルジア症は国内で発生する魚病被害額の20%(例年20億円程度)を占めるほどの甚大な経済損失をもたらしており、ワクチンの開発が求められている。しかし、開発が容易で現在市販化されている水産用ワクチンの大半を占める不活化ワクチンではノカルジア症を防除できず、DNAワクチンやmRNAワクチンなど次世代型ワクチンが注目されている。本研究では、ノカルジア菌に対する感染防御機構として重要な細胞性免疫を測定する技術を応用し、ワクチン候補抗原として使用可能なノカルジア菌の感染防御抗原の特定を試みた。ノカルジア菌より抽出した菌体タンパク質を各種クロマトグラフィーにより精製した。また、ノカルジア菌感染に対して感染防御能を有する感染耐過魚を作製し、本個体より白血球を分離した(耐過魚由来白血球)。さらに、耐過魚由来白血球に精製した菌体抗原を添加・培養し、細胞性免疫の指標となるインターフェロンγ(IFNγ)産生量を定量した。その結果、分子量約20,000のタンパク質を含む精製画分に高いIFNγ産生誘導能が確認された。現在、本画分に含まれるタンパク質の同定作業を実施中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究により、細胞性免疫産生誘導能を有するノカルジア菌体由来抗原が分子量約20,000のタンパク質を含む精製画分に含まれることが明らかとなった。よって、2022年度の研究実施計画において達成目標としていた、「細胞性免疫を誘導する抗原の精製実験およびその同定」についてはおおむね達成しており、研究が順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

2023年度以降は、2022年度の研究により見出した細胞性免疫を誘導する抗原が感染防御抗原であることを証明する実験を実施する。また、DNAワクチンやmRNAワクチン等感染防御抗原を利用した次世代型ワクチンを試作し、その有効性評価を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

細胞性免疫を誘導する抗原の一次構造解析など、実施予定だった実験を翌年度に繰り越したため。試薬類購入および受託解析サービスなどに使用する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] コイ目魚類の貪食細胞特異的に発現するトリプシン様セリンプロテアーゼ2022

    • 著者名/発表者名
      松浦雄太、高野倫一、吉野友晃、松山知正
    • 学会等名
      令和4年度 日本魚病学会秋季大会

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公開日: 2023-12-25  

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