研究実績の概要 |
本研究の目的は、長鎖ドナーDNAテンプレートの核移行を介した新規CRISPR-Cas遺伝子ターゲッティング技術の開発である。 本年度は、昨年度の研究にて開発に成功したpCriMGET_9-12a(plasmid of synthetic CRISPR coded RNA target sequence-equipped donor plasmid mediated gene targeting Cas9 and Cas12a)システムを生体内ゲノム編集に利用可能どうか検証を行った。6週齢のC57/BL6JマウスにpCriMGET_9-12aドナー、およびCas9-sgRNAもしくはCas12a-crRNA発現plasmidを眼科静脈叢より導入した。その結果、生体マウス肝臓において、CRISPR-Cas9およびCRISPR-Cas12aを用いた内在性遺伝子座への蛍光レポーター遺伝子ターゲッティングに成功した。導入された蛍光レポーター遺伝子は、標識された内在性遺伝子の細胞内局在を反映し、シーケンス解析の結果indel変異の無い正確なin-frame knock-inであることが確認された(Ishibashi R., et al. Sci. Rep. 2024)。 pCriMGET_9-12aシステムのin vivo遺伝子ターゲッティングへの応用により、生体内においてCRISPR-Cas9だけではなくCRISPR-Cas12aを用いても効率的な長鎖ドナーDNAテンプレートのターゲッティングが可能となった。本研究は生体内での遺伝子ターゲッティング効率の上昇に繋がり、新たな生体内遺伝子治療法の開発につながることが期待される。
|