がんは遺伝子の病気であり、細胞の異常増殖を引き起こす遺伝子変異により発がんする。そうした遺伝子の変異は相補的に働く遺伝子への依存性を高めることから、副作用のない分子標的薬による治療の対象となり得る。CTF18遺伝子はDNAの複製や分配に関与することが知られ、30以上の遺伝子と合成致死となることが示唆されており、標的薬のターゲットとして有望である。本研究では、遺伝学的解析によりCTF18とPRIMPOL遺伝子の潜在的な合成致死性を発見した。CTF18はDNA複製因子をDNA上に安定化する働きを持つことから、CTF18とPRIMPOLがリプライミングにおいて相補的に働いている可能性が示唆された。
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