研究課題
本研究では、「Mediator Bodyで転写される新生RNA鎖が液滴形成を促進・安定化するポジティブフィードバック制御」が、Mediator Bodyによる転写活性化に重要であるというモデルを提唱し、その詳細な分子メカニズムを解明することを目的とした。まず、Mediator Bodyの液滴がどのように形成されるかについて明らかにするため、GFP融合MED26を用いたライブセルイメージング解析を行った。その結果、MED26がヒストン遺伝子の転写の場であるHistone locus body (HLB) を認識して液滴を形成するために必要な部位を決定することができた。さらに、Mediator Bodyの液滴は様々な転写阻害剤で処理することによってその形成が阻害されたことから、新生RNAがMediator Bodyの液滴形成に関与していることが示唆された。これらの結果は、新生RNA鎖が液滴形成を促進・安定化するという本研究のモデルを支持する結果である。本研究2年目には、これらの内容についてさらに詳細に解析を進めていきたい。
1: 当初の計画以上に進展している
申請当初想定していたモデルの証明が順調に進んでいることに加え、そのMED26の天然変性領域による機能調節機構の存在を示唆するデータが得られているため。本研究2年目では、これらのデータをもとに研究をさらに発展させ、論文化を目指す。
現在までにMED26のさまざまな変異体を作製し、これを安定発現する細胞株を多数樹立してきた。2年目には、これらの細胞を用いたハイスループット解析を実施し、ゲノムワイドな転写への影響を解明する。これらのデータを取得した上で、できる限り早い時期に本研究の論文化を目指す。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 2件)
BioEssays
巻: 45 ページ: -
10.1002/bies.202200178
Microorganisms
巻: 10 ページ: 2381~2381
10.3390/microorganisms10122381
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