哺乳類ホスホリパーゼC(PLC)はホスファチジルイノシトール(4,5)二リン酸特異的PLC(PIP2-PLC)のみ同定されている。本酵素は多価不飽和脂肪酸含有ジアシルグリセロール(DG)を選択的に産生する。一方で,飽和脂肪酸含有DGの蓄積は非アルコール性肝疾患(NASH)や動脈硬化症との連関がin vivoを含めて示唆されているのにも関わらず,飽和脂肪酸含有DGを選択的に産生するPLCは活性発見後半世紀以上遺伝子が不明であった。したがって,新タイプのPLCの遺伝子を発見し,その機能を解析することは,上記疾患の分子機構の解明に繋がり,学術的及び社会的に意義があると考えられる。
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