研究課題
若手研究
造血幹細胞の分化動態を示す数理モデルおよび推定されたパラメータをもとに、移植実験時の造血幹細胞分化の特徴を調べた。移植実験において特定の分化経路の依存度が造血幹細胞の加齢および長期再構築能と関連することを見出した。これは移植実験のデータからも精度良く判別でき、造血幹細胞を特徴付ける新規の指標として期待される。確率モデルによる潜在性幹細胞の限られた系統への分化を説明するためのシミュレーションに着手した。分化における少数性の影響を調査し、実装をもとにしたクローン追跡への展開が見込まれる。
数理生物学
恒常的な細胞系譜がどのような履歴を持ち、疾患により系譜構成がどのように変容するかを定量できるようになる。例えば、特定の細胞のクローンが大半を占めるようになり、白血病のような重大な疾患へとつながる、クローナル造血が引き起こされる原因を特定することが期待される。また、動物実験でのデータ解析を発展させ、数理モデルから導出される指標を疾患と対応付けることができれば、早期診断が可能になり、疾患発症を予防することも可能になる。