研究課題/領域番号 |
22K15123
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
角出 啓輔 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (20826458)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ヒト造血幹細胞 / iPS細胞 / 胎児肝 / 胎児造血 / 肝オルガノイド |
研究実績の概要 |
ヒトiPS細胞由来肝芽細胞(iHep)・同由来星状間質細胞様細胞(iSC)・同由来類洞内皮細胞様細胞(iSEC)をそれぞれ5:1:4の割合でスフェロイドを形成させ、マトリゲルに封入し(総細胞数1.0-4.5x10^7)NSGマウスに移植した。しかし、HSCを直接移植するに足る十分な大きさの移植片が形成されなかった。そこで、上記構成の移植物に同数のHuVEC及びヒト成人骨髄由来間葉系間質細胞を混合したところ、十分な大きさの移植片の形成が認められた。また、この移植片はわずかに血管構造を認めた。この移植片にヒト臍帯血由来CD34強陽性CD133陽性造血幹細胞を移植したところ、移植片内においてヒトCD45陽性細胞の生着が認められた。この移植片のうち、増殖を認めたものは、主にヒト間葉系間質細胞であり、iHepは依然として増殖しないままであった。そこで、14日間のin vitroにおけるiHepの増殖様式を検討した。その結果、ヒトiPS細胞より分化誘導開始後7日前後、CXCR4陽性difinitive endoderm様細胞からHNF4α陽性AFP陽性細胞に到る段階において、HGFRアゴニストDihexa及びCHIR99021、Y-27632、A-8301、iMatrix-511存在下で、約50-100倍程度に増殖することが観察された。今年度は、移植後増殖可能なiHepの分化段階及び移植剤の条件を検討し、ヒト臍帯血造血幹細胞を支持する胎児肝様環境構築を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
採択者の所属機関異動(2020年8月)に伴う研究環境の再構築は、2022年度中に殆ど完了したものの、実験利用可能な十分数のヒト臍帯血として購入臍帯血は不十分であった。一方、所属機関側倫理審査等都合により、2022年度に予定していた臍帯血バンク由来ヒト臍帯血提供が受けられなかった。このため、肝オルガノイドをin vitro及びin vivoに構築しても、十分な実験が出来なかった都合により計画は大幅に遅延してしまった。しかしながら、2023年度より臍帯血バンク由来ヒト臍帯血の提供を受ける体制が整ったため、今後、従来通り計画を推進する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度には、in vitro及びin vivoで肝オルガノイドを作製する実験系を構築した。 当該年度には十分数のヒト臍帯血が得られなかったが、2023年度には、本格的にNSGマウス体内に作製したヒトiPS細胞由来肝オルガノイド中に直接あるいは経静脈的にヒト臍帯血造血幹細胞を移入する。これにより、マウス生体内ヒトiPS細胞由来肝芽細胞・星状細胞様間質細胞・類洞内皮細胞様細胞への影響並びにヒト造血幹細胞の生着様式・分化への影響を評価する予定である。
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