研究課題/領域番号 |
22K15127
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
鹿島 誠 青山学院大学, 理工学部, 助教 (10780562)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 幹細胞 / プラナリア / 全能性 / 化合物 / スクリーニング / RNA-Seq |
研究実績の概要 |
プラナリアを含む一部の無脊椎動物では成体多能性幹細胞(aPSC)が維持され、組織恒常性の維持や再生に利用されているが、「aPSCの分子実体」や「成体内でなぜaPSC維持できるのか?」という問いには答えが出ていない。本研究計画では、独自のオミクス解析技術とプラナリアの再生個体用いた大規模なin vivo化合物スクリーニングを行い、aPSCの維持に寄与する化合物の同定を目指す。さらに、同定した化合物の機序を経時一個体RNA-Seqによって解明していく。最終的には、同定した化合物を利用したaPSC培養系の開発を行い、プラナリアaPSCの同定とその維持に重要な分子基盤の解明を目指す。 プラナリア個体を対象とした化合物スクリーニングを開始し、2940化合物の再生個体に対するスクリーニングの結果、再生不全89種、死亡745種のヒット化合物候補を得ている。RNA-Seqによる薬効評価を開始し、幹細胞の維持促進や分化抑制を行っている可能性がある化合物候補を得ることに成功している。また、プラナリアDugesia japonicaゲノム解読を行い、従来のゲノムアセンブリーの2.5倍以上長い結果を取得し、遺伝子カタログの完成に大きく近づいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
プラナリア個体を対象とした化合物スクリーニングを開始し、2940化合物の再生個体に対するスクリーニングの結果、再生不全89種、死亡745種のヒット化合物候補を得ている。RNA-Seqによる薬効評価を開始し、幹細胞の維持促進や分化抑制を行っている可能性がある化合物候補を得ることに成功している。 また、先進ゲノム支援を受け、プラナリアDugesia japonicaゲノムのアセンブルを行った。HiFiロングリードを用いることで、クローナル集団内でのゲノム多様性が発見されたため、N50自体は芳しくないが、遺伝子レベルでは、BUSCO評価でゲノム決定は完了している近縁種なみの遺伝子同定率を持っており、Dugesia japonicaの遺伝子カタログの完成が見えてきており、当初の想定になかった本研究計画の基盤整備が大きく進捗した。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の計画通り進めていくが、新型次世代シーケンサーの登場で費用が劇的に下がる見込みのため、targeted RNA-Seqではなく、全mRNA-Seqでの薬効評価を主軸に進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
二次スクリーニングRNA-Seqを使用する予定であり、余裕をもって予算を申請していた。また、購入予定の機器・試薬が想定より安価に購入できたため。加えて、旅費に関して所属機関の支援制度を受けることができたため、旅費の仕様がなかった。 一年目で、スクリーニング系を確立することができたため、本年度以降本格的にRNA-Seqを利用した二次スクリーニングを実施していく。
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