• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

PPB非依存的な細胞分裂面制御を司る分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 22K15138
研究機関名古屋大学

研究代表者

山田 萌恵  名古屋大学, 理学研究科, 助教 (80848391)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード細胞分裂面 / ヒメツリガネゴケ / 細胞質分裂
研究実績の概要

細胞分裂で生じた娘細胞同士の位置関係が永続的に維持される植物では、細胞分裂面の制御は器官の形を決める上で決定的な意味を持つ。植物の細胞分裂においてはPPBと呼ばれる細胞表層の微小管束構造が分裂面制御において中心的な役割を担うと考えられて来た。一方、ヒメツリガネゴケの原糸体にはPPBが存在せず、分裂面決定の仕組みもあまりよく分かっていない。近年、シロイヌナズナの変異体解析からPPBに依存しない分裂面制御機構の存在が示唆された。このことはPPB非依存的な機構が植物の分裂面決定機構としてより根源的なものである可能性を示唆する。本研究では、細胞生物学的解析に秀でたヒメツリガネゴケとCRISPRによるゲノム編集技術を組み合わせ、網羅的に細胞分裂面制御因子を解析することで、植物が細胞分裂面を決定づける普遍的な分子機構の解明に挑む。
ゲノム編集技術による遺伝子破壊操作によって候補因子の多重遺伝子破壊株を複数樹立した。中には細胞分裂面形成異常を想起させる興味深い表現型を示す個体もあった。これらがどう分裂面決定に関与しているのかは今のところ不明であるが、マーカータンパク質やトランケーションタンパク質、阻害剤等を使ったイメージング解析によって詳細な分子メカニズムの解明を目指す。
また、シロイヌナズナ受精卵を用いたスクリーニングで同定された阻害剤の細胞分裂に関する効果検証も行った。中には細胞質分裂を特異的に阻害する薬剤もあり、見いだされた阻害剤はヒメツリガネゴケでも、シロイヌナズナで確認されたものと同様の効果を示すことが確認できた(Kimata et al., 2023. Life Sci Alliance) 。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞質分裂を特異的に阻害する薬剤の効果をヒメツリガネゴケでも検証し、論文として発表したため。また、細胞分裂面決定に関わっていることが予想される候補因子の多重遺伝子破壊株を樹立し、興味深い表現型を見出したため。

今後の研究の推進方策

見出した候補因子の作用機序の解明を目指して、進行中の表現型解析やドメイン解析を継続する。

次年度使用額が生じた理由

消耗品にかかる費用が当初予定していたより少なかったため未使用額が生じた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Novel inhibitors of microtubule organization and phragmoplast formation in diverse plant species2023

    • 著者名/発表者名
      Kimata Yusuke、Yamada Moe、Murata Takashi、Kuwata Keiko、Sato Ayato、Suzuki Takamasa、Kurihara Daisuke、Hasebe Mitsuyasu、Higashiyama Tetsuya、Ueda Minako
    • 雑誌名

      Life Science Alliance

      巻: 6 ページ: -

    • DOI

      10.26508/lsa.202201657

    • 査読あり
  • [学会発表] キネシン12によるフラグモプラストを介した細胞板形成機構2022

    • 著者名/発表者名
      山田萌恵
    • 学会等名
      第74回日本細胞生物学会大会
    • 招待講演
  • [備考] 研究業績webページ

    • URL

      http://bunshi4.bio.nagoya-u.ac.jp/~tenure2/yamada/publications.html

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi