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2022 年度 実施状況報告書

孔辺細胞における新奇フォトトロピン情報伝達による気孔開口メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K15144
研究機関山口大学

研究代表者

山内 翔太  山口大学, 大学院創成科学研究科, 学術研究員 (70838052)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードフォトトロピン / 気孔開口
研究実績の概要

青色光受容体フォトトロピンは青色光依存的に孔辺細胞葉緑体のデンプンを分解することにより気孔開口を促進する。しかし、そのメカニズムには不明な点が多い。
これまでに、気孔孔辺細胞において青色光依存的にリン酸化されるタンパク質を探索し、目的の因子を多数同定した。その中のひとつであるWD-repeat containg proteinにWDRと名前をつけて解析をおこなった。解析の結果、wdr変異体では青色光依存のデンプン分解と気孔開口が阻害されていることがわかった。これはWDRがデンプン分解の鍵因子であることを示唆する。
WDRをリン酸化するキナーゼを同定することを目的に生化学的な解析を行なった。その結果、WDRは青色光照射後直ちにリン酸化されることがわかった。このことからWDRはフォトトロピンの基質であることが示唆された。これを検証するために、フォトトロピンとWDRの全長タンパク質を大腸菌にて作製し、試験管内で反応した。その結果、WDRはフォトトロピンによりリン酸化されることがわかった。また、フォトトロピンとWDRはin vitro, in vivoで相互作用を示すことを示した。また、二分子蛍光補完法を行い、YFPの断片を融合したWDRとフォトトロピンをシロイヌナズナ葉肉細胞に一過的に過剰発現したところ、YFPシグナルが細胞膜と葉緑体包膜に確認された。これらの結果からWDRはデンプン分解を制御するフォトトロピンの基質であることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

WDRがフォトトロピンの基質であることを明らかにし、WDRのリン酸化メカニズムを明らかにしたため。

今後の研究の推進方策

WDRの機能解析を進め、国際誌に投稿する。またWDRの分子機能を明らかにするために解析を進める。WDRは相互作用因子と結合し、その酵素活性を高めることが示唆される。具体的にはin vitroでWDRとその相互作用因子を作製し、その酵素活性を調べる。また変異体の表現型を調べる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] ETH Zurich(スイス)

    • 国名
      スイス
    • 外国機関名
      ETH Zurich
  • [雑誌論文] Root PRR7 Improves the Accuracy of the Shoot Circadian Clock through Nutrient Transport2023

    • 著者名/発表者名
      Uemoto Kyohei、Mori Fumito、Yamauchi Shota、Kubota Akane、Takahashi Nozomu、Egashira Haruki、Kunimoto Yumi、Araki Takashi、Takemiya Atsushi、Ito Hiroshi、Endo Motomu
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 64 ページ: 352~362

    • DOI

      10.1093/pcp/pcad003

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Reactive Carbonyl Species Inhibit Blue-Light-Dependent Activation of the Plasma Membrane H+-ATPase and Stomatal Opening2022

    • 著者名/発表者名
      Murakami Nanaka、Fuji Saashia、Yamauchi Shota、Hosotani Sakurako、Mano Jun’ichi、Takemiya Atsushi
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 63 ページ: 1168~1176

    • DOI

      10.1093/pcp/pcac094

    • 査読あり
  • [学会発表] WDR は孔辺細胞葉緑体のデンプン分解を介して気孔開口を促進する2023

    • 著者名/発表者名
      山内翔太,杉山直幸,児玉豊,Luca Distefano,野元美佳,多田安臣,Diana Santelia,島崎研一郎,武宮淳史
    • 学会等名
      第64回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] シロイヌナズナ孔辺細胞におけるSnRK2 基質のリン酸化プロテオーム解析2023

    • 著者名/発表者名
      山下昂太,三枝瑞季,山内翔太,武宮淳史,梅澤泰史
    • 学会等名
      第64回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] 青色光に応答した細胞膜H+-ATPase の2 つの部位のリン酸化は気孔開口に必須である2023

    • 著者名/発表者名
      冨士彩紗,山内翔太,杉山直幸,西浜竜一, 島崎研一郎,武宮淳史
    • 学会等名
      第64回日本植物生理学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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