研究実績の概要 |
陸封型のヤマメと降海型のサクラマスでは、心室の形態(心室全体に占める心室壁の割合)と心室の拡張機能 (心房から心室に流入する血液の動態)が異なっている(Usui et al., PLOS ONE, 2022.)。しかし、心室壁のサイズを制御する機構や、心室の形態と機能の関係は不明である。また、魚類の心室壁の厚さは種ごとに異なる。本研究は、生理的条件下で心臓がリモデリングするメカニズムの解明と、心室壁の厚さに応じた心室拡張特性の評価を試みる。 本年度は、11種類の硬骨魚類の心臓切片の作製と観察を通じて、心室の形態(心室壁と内腔の割合)を評価した。また各魚について、心膜の厚さや心室壁におけるコラーゲン繊維の沈着量などを計測した。その結果、ウナギの仲間は他の魚に比べて心膜が肥厚していることが明らかになった。
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