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2022 年度 実施状況報告書

冬眠様状態を誘導する神経回路の描出およびその操作

研究課題

研究課題/領域番号 22K15220
研究機関筑波大学

研究代表者

齊藤 夕貴  筑波大学, 医学医療系, 助教 (70732436)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワードQRFP / 視床下部 / 冬眠 / 低代謝
研究実績の概要

非冬眠動物であるマウスにおいて、視床下部の小領域である前腹側脳室周囲核( AVPe ) に存在するQrfp 発現ニューロン(Qニューロン)を特異的に興奮性操作することで冬眠様状態を誘導し得ることが分かっているが、そのQニューロンがどのようなメカニズムでセットポイ
ントを調節して低体温を引き起こすのかについては未だ明らかになっていない。そこで本研究ではウィルスベクターを用いた神経回路トレーシングによってQニューロンに制御される神経回路を組織学的に明らかにし、光遺伝学的手法や化学遺伝学的手法を用いてQニューロンの下流経路を操作し、Qニューロンの作動メカニズムを明らかにすることを目指した。
Qニューロンの主な投射先であるDMHにはグルタミン酸作動性ニューロンやGABA作動性ニューロンが存在することが明らかになっているので、逆行性トランスシナプス標識法によりvGlut2-ires-CreおよびvGat-ires-Creマウスを用いて、DMHの各ニューロン群に入力するニューロン群を標識した。
これまでに、Qニューロンには3つのサブタイプが存在し、約80%がグルタミン酸作動性(Qeニューロン)、5%強がGABA(Qiニューロン)、残りはvGlut2とvGatの両方を発現するハイブリッドタイプ(Qhニューロン)であることが明らかになっている。そこで、新たなQrfp-flpマウスを作出し、AAVベクターを用いてQニューロンのサブタイプにおけるDMHへの投射パターンを明らかにすることについても試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

DMHをターゲットとし逆行性のウイルスベクターを投与するにはやや技術的な困難が生じた。
そこで発想を転換し、AVPeからのアプローチを目指し、QRFP-Flpマウスを新たに作出した。
AVPeに存在するQニューロンのサブタイプ別にAAVベクターによる標識が可能となり、課題の進捗に影響はなかった。

今後の研究の推進方策

DMHをターゲットとし各種ウイルスベクターを投与するには技術的な困難が生じた。
今後は新たに作出したQRFP-Flpマウスを用いてAVPeからアプローチしていく方針に転換し、AVPeに存在するQニューロンのサブタイプをターゲットとしてAAVベクターによる標識や操作をすることを目指す。

次年度使用額が生じた理由

一部の実験用消耗品について、輸入の都合から年度内の納品が難しく見送ったため次年度使用額が生じた。
当該消耗品は次年度中での購入を予定している。

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公開日: 2023-12-25  

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