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2023 年度 実施状況報告書

マウス大脳における排尿回路の解明、排尿行動への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K15224
研究機関山梨大学

研究代表者

望月 孝規  山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (30790430)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード前帯状皮質 / 光遺伝学
研究実績の概要

マウスの前帯状皮質が排尿に関与していることを明らかにした。
マウス前帯状皮質の興奮性ニューロンに興奮性オプシンであるChR2を発現させ光刺激を行い、前帯状皮質の興奮性ニューロンだけを選択的に刺激したところ排尿反射を誘発した。一方でマウス前帯状皮質の抑制性ニューロンに選択的にChR2を選択的に発現させ、光刺激を行ったところ排尿間隔が延長した。以上のことからマウスの前帯状皮質は興奮性ニューロン、抑制性ニューロンいずれも排尿制御に重要な役割を担うことが明らかになった。さらに薬剤投与実験を行ったところGABAantagonistであるピクロトキシンを投与すると排尿間隔が短縮し、GABAagonistであるムシモールを投与すると排尿間隔が延長した。生理食塩水投与群ではこの現象は見られなかった。この結果からは前帯状皮質においてGABAが排尿反射の確立において重要な役割を担うことが明らかになった。さらに前帯状皮質内での反応性を調べた。大脳皮質Ⅴ相興奮性ニューロンにChR2を発現しているThy1ChR2マウスを使用してACC領域9か所で一番排尿圧が上昇しているところを探索した。その結果前帯状皮質の中でも中心に近い領域で排尿圧が上昇しやすいことを明らかにした。

以上の成果に関してはSci Rep. 2024 Mar 16;14(1):6367. doi: 10.1038/s41598-024-56806-8.にて報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前帯状皮質における興奮性ニューロンと抑制性ニューロンの役割に関しては明らかにすることができた。しかしながら本来の目的である排尿に関与していると明らかになっている橋排尿領域や中脳水道周囲灰白質との関係を明らかにしていない。今後の追加実験が必要である。また化学遺伝学を利用した慢性行動実験が行えていない。こちらも遅れている理由である。

今後の研究の推進方策

逆行性CreウイルスとCre依存的に興奮性オプシンであるChR2あるいは抑制性オプシンでArchRを使用してACC-PAG経路に関与している神経経路だけを選択的に刺激する。あるいは他の経路だけを選択的に刺激し、排尿反射の変化を調査する。
化学遺伝学を利用してマウス慢性行動実験を行い、排尿行動に変化があるか観察する。

次年度使用額が生じた理由

研究進捗の遅延により次年度にも研究費用が必要となったため。
使用計画
ウイルス購入、マウス購入、マウス行動観察のためのカメラ購入、データ解析のためのパソコン購入、必要なソフト購入のために使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Optogenetic stimulation of neurons in the anterior cingulate cortex induces changes in intravesical bladder pressure and the micturition reflex2024

    • 著者名/発表者名
      Mochizuki Takanori、Manita Satoshi、Shimura Hiroshi、Kira Satoru、Sawada Norifumi、Bito Haruhiko、Sakimura Kenji、Augustine George J.、Mitsui Takahiko、Takeda Masayuki、Kitamura Kazuo
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 14 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1038/s41598-024-56806-8

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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