RASはがんの約30%で活性型に変異している最もポピュラーながん遺伝子であり、約40年間にわたってRas阻害剤の開発が世界中で進められている。2021年にG12C変異型阻害剤ソトラシブが認可されたが、G12C以外の変異型Rasに対する治療法は未だ認可されていない。研究代表者は2018年から人工タンパク質を使用したRas阻害剤の開発に取り組み、2020年にはNon-G12C変異型Rasを阻害可能な新規Ras阻害剤を開発した。本研究では本阻害剤を基礎とする誘導体の合成と活性の評価を行った。その結果、培養細胞モデルと担がんマウスモデルで強い抗腫瘍効果を示す新規Ras阻害剤Xの開発に至った。
|