抗体-抗がん剤複合体(ADC)は、新たな抗がん剤として注目を集めている。本研究では、ADCの問題点である抗がん剤の非選択的放出抑制を目的として、ペプチド環化反応をトリガーとした活性型抗がん剤放出システムの開発を目指し研究を行った。本研究では、ADCに搭載する抗がん剤としては二環性環状ペプチドであるアマニチンに着目した。そこでまず、新規アマニチン合成法を確立した。さらに研究代表者らが開発した酸性条件下N-Sアシル基転移反応によりチオエステルへ変換する分子を利用することで、環状ペプチドの生成と放出が可能であることを明らかにした。
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