研究課題/領域番号 |
22K15278
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松崎 元紀 徳島大学, 先端酵素学研究所, 助教 (90817040)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小胞体ストレス応答 / ジスルフィド結合 / ミスフォールドタンパク質 / 小胞体ストレスセンサー |
研究成果の概要 |
小胞体では、インスリン、免疫グロブリンなどの分泌タンパク質が、生体のニーズに合わせて酸化的フォールディングと呼ばれる複雑な過程を経て作られている。フォールディングは様々な環境の摂動に影響されて失敗することがあり、小胞体ストレスの原因となる。細胞が小胞体ストレスの多寡や性質によって応答を臨機応変に調節する仕組みは、がんや糖尿病と言った様々な疾患の発症および進展で重要だが、不明な点が多かった。本研究により、小胞体ストレス応答機構の中心的な制御因子であるIRE1αが、小胞体ストレスの量と質を感知して内腔ドメインの多量体形成の度合いを変えるという分子機構で、細胞応答を調節していることが示唆された。
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自由記述の分野 |
生化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小胞体ストレス応答 (UPR) の制御破綻は、がん、糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病など様々な疾患の発症および進展と関連するため、IRE1αによるUPR制御の分子機構は盛んに議論されてきたが、IRE1α内腔ドメインの会合状態が様々なストレス因子の存在下でどのように変化するかは不明だった。本研究では、内腔ドメインの会合状態を定量的に分析し、ストレス依存的な内腔ドメインの多量体化動態を示し、UPR制御機構の分子レベルの理解が進んだ。今後、IRE1α内腔ドメインの多量体形成について薬剤的制御が可能になれば、UPR制御の破綻が関連する様々な疾患の新たな治療戦略確立の端緒となり得る。
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