当該研究では複数の生薬や漢方方剤がAspH阻害活性を示すことを初めて明らかとした。さらに、その阻害活性を示す天然物の単離に成功することで、天然阻害剤のAspH阻害活性メカニズムの解明を化合物ベースで行う基盤構築を行なった。それに加え、AspH-天然阻害剤の複合体構造をX線結晶構造解析の手法により取得することに成功し、天然阻害剤のAspH阻害活性機構を明らかとした。AspH-天然阻害剤の複合体構造の取得には前例がなく、今後は得られた複合体X線結晶構造の阻害剤結合様式に基づき、天然阻害剤の官能基変換等を有機合成的に行うことで、AspHへの阻害活性や選択性を向上した阻害剤の開発につながる。
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