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2022 年度 実施状況報告書

尿エクソソーム中トランスポータータンパク質の定量による急性腎障害早期診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K15312
研究機関東北大学

研究代表者

臼井 拓也  東北大学, 大学病院, 薬剤師 (50835296)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードAcute kidney injury / 急性腎障害 / バイオマーカー / AKI
研究実績の概要

急性腎障害 (acute kidney injury; AKI) は心臓手術に代表されるような虚血手術や、腎毒性薬物の投与を起点として生じることが多い。そこで、AKI早期診断のためにはこれらの起点から数時間以内に採取された患者検体を用いた解析が必要と考え、前向き観察研究を新規に実施する方針とした。2022年度の実施状況は下記の通りである。
1.AKI発症リスクの高い抗がん薬に着目し、当該抗がん薬の使用頻度の高い診療科医師3名との研究協力体制を構築した。
2.東北大学大学院医学系研究科倫理委員会において研究倫理承認を得た後、2022年10月から対象患者のリクルートを開始した。現在までに、当該抗がん薬を用いた治療を受ける患者十数名から研究参加同意をいただいており、今後も増加する見込みである。当該抗がん薬での治療において、各患者からはそれぞれ複数回、尿検体を提供いただく了承を得ている。
3.尿エクソソーム中トランスポータータンパク質の定量に先駆け、AKI早期診断バイオマーカーとして有望かつ、より簡便に測定可能と考えられる5分子について、尿検体からの定量準備を整えた。
4.尿エクソソーム中トランスポータータンパク質の定量に向け、ヒト腎尿細管上皮細胞に発現するトランスポーター分子数種類について、分子特異的な標品ペプチドを設計・入手した。また、所属研究室においては、前述のトランスポーター分子について動物細胞を用いた安定発現系を構築済みであり、ペプチドの定量に適した高速液体クロマトグラフおよび質量分析計を有していることから、定量の準備は万全である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和6年度の実施を予定していたヒト尿検体を用いた解析について、医師の協力および複数の患者からの研究参加同意を得られたことで、既に十数名分の患者検体を入手することができているため。さらにAKI発症リスクの高い抗がん薬の投与後、1患者あたり最大6時点での尿検体を入手できていることから、各バイオマーカー候補分子について経時的な評価が可能である。各時点での尿検体量も10 mL程度あり、対象分子の測定に十分な量が確保できている。

今後の研究の推進方策

当該抗がん薬の治療を受ける患者について引き続きリクルートを継続し、予定症例数の達成を目指す。患者尿検体中のバイオマーカー候補分子および尿エクソソーム中トランスポータータンパク質を定量し、受信者動作特性解析からAKI早期診断に有用なバイオマーカー分子を同定する。

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公開日: 2023-12-25  

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