学術的意義:新薬承認申請には生殖発生毒性試験による催奇形性は必ず試験されているが、その他の新生児毒性は検討されていない。本研究では、母体タクロリムス血中濃度と新生児CD4細胞数との関係性を明らかにしており、新生児免疫毒性についてトキシコキネティクスの概念を構築した点に学術的意義がある。 社会的意義:子宮内免疫抑制剤曝露による新生児の免疫力についてはエビデンスがなく、医療現場では子宮内免疫抑制剤曝露児に対するワクチン接種の是非について意見が分かれている。本研究成果は子宮内免疫抑制剤曝露時の新生児免疫応答能力を初めて報告するものであり、エビデンス構築の一歩となる。
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