研究課題/領域番号 |
22K15328
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研究機関 | 岐阜医療科学大学 |
研究代表者 |
吉岡 弘毅 岐阜医療科学大学, 薬学部, 講師 (30756606)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 時間薬理 / 時間毒性 / シスプラチン |
研究実績の概要 |
シスプラチン(CDDP)は悪性腫瘍に対する化学療法剤であり、多くのがん化学療法プロトコールにおいて中心的な役割を担っている。しかし、多くの患者で急性腎障害がみられることも明らかになっていることから、患者のQOL向上のための新たな治療法や概念の開拓が急務となっている。抗がん剤の薬理作用は時刻によって異なることも報告されていることから、申請者は24時間を1つの周期とした概日リズムに着目し、薬理作用と毒性作用を同時に解析することで、より効率的な治療法の提案を目的とするものである。 2022年度は、赤色蛍光タンパク質RFPを組み込んだヒト大腸腺癌HT29細胞 (HT29-RFP)をメスのNudeマウスに移植し、移植2週間が経過してから8時または20時にCDDPを5 mg/kgの用量で週に3回投与を4週間続け、体重および腫瘍サイズを経時的に観察することで薬理作用(腫瘍サイズ:インビボイメージングシステムにより蛍光強度およびノギス法)ならびに毒性作用(体重)を指標に評価した。8時および20時の両時刻でCDDPを投与すると、対照群と比べ、腫瘍のサイズが有意に縮小することを明らかにした。また、8時と20時の腫瘍サイズを比較すると、20時の投与の方がより縮小する結果となった。体重については、8時の投与では減少傾向であるのに対し、20時の投与では有意な減少が確認された。 以上の結果より、8時と20時の2時刻でCDDPの薬理作用と毒性作用を評価した結果、薬理作用と毒性作用はともに20時の方が強く顕れることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
がんモデルマウスについては担癌モデルと自然発症モデルの2種類で検討を行っている。後者の自然発症モデルマウスは、本学への輸送に予定よりも時間を要した結果、計画よりもやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
実験計画に基づき、担癌モデルマウスについては、血液、腎臓組織、および腫瘍のサンプリングが完了したため、腎障害マーカーおよび腫瘍に関わる因子を生化学・分子生物学・病理学的手法で解析を行う。 自然発症モデルマウスについては、一定数が確保できる状況となったため、朝または夜にシスプラチンを投与し、抗がん作用および腎障害作用を併せて解析することで、2時刻で薬理作用・毒性作用に差が認められるかどうか評価を行いたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウスの輸送が計画よりも遅れたため、実験が一部行うことが出来ず未使用金が発生した。2023年度に併せて実施する予定である。
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