本研究では、骨格筋の筋収縮における体温の役割を明らかにした。特に運動前のウォーミングアップによって、筋肉を予め活性化することでパフォーマンスを高めていると考えることができる。 筋肉収縮により産生された熱が環境へ散逸する過程では、体温が上昇するだけでなく、筋収縮システムそのものに影響し、その働きを補助したり、制御しているのではないかという仮説を立て、これを実験的に検証した。これまでCa2+シグナルに基づいた医療機器開発や筋トレーニング・リハビリテーションの技術開発が進んできたように、本成果は温度シグナルに基づいた新しい温熱療法、健康医療のための技術開発の扉を開くことが期待される。
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