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2023 年度 実施状況報告書

血液を循環する好中球由来小胞の動態と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K15372
研究機関大阪大学

研究代表者

粟生 智香  大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 助教 (90880865)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード視床下部 / 細胞外小胞
研究実績の概要

前年度までに、敗血症モデルにおいて、血管を流れる細胞外小胞を貪食する免疫細胞を同定していた。今年度は高精細全脳イメージング解析技術FASTによって、細胞外小胞を貪食した細胞が脳のどの領域に分布しているかを明らかにした。この分布は、抗原取り込みの実験で用いられるデキストランの分布とは異なっていた。またCD31を用いた血管の免疫染色によって、血管の周囲に存在することを見出した。また免疫細胞の脳への浸潤が抑制されたノックアウトマウスにおいて、テレメトリによる解析を行ったところ、心拍数、血圧、体温の推移と臓器障害マーカーに特徴があることを見出した。さらに、脳のcfosの免疫染色によって、一部の脳領域の活動が増加していることを明らかにした。内分泌にも影響がみられた。これらのことから、細胞外小胞の標的となった免疫細胞は、循環の維持を介して臓器障害を予防していることが示唆された。また、in vitroにおいて免疫細胞を精製し、細胞外小胞で刺激し、サイトカインなどを定量する実験において、脂質メディエーターの産生が低下することを見出した。現在、免疫細胞から神経細胞に情報を伝達する分子の同定を進めている。また、アデノ随伴ウイルスベクターとカルシウムイメージングの技術を用いて、免疫細胞が影響を与える神経活動の推移の解析系の立ち上げを進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞外小胞の標的となる細胞が同定され、その細胞が循環動態に対してどのような機能を持つかも明らかにすることができ、分子の同定の準備まで進められているため。

今後の研究の推進方策

単球から神経細胞に情報を伝達する分子の同定を進める。具体的には、ノックアウトマウスと野生型マウスの脳のプロテオーム解析、トランスクリプトーム解析、単離した免疫細胞の遺伝子発現解析を行い、候補分子を同定する。続いて、候補分子の阻害薬を脳に局所注入し、分子の機能を同定する。

次年度使用額が生じた理由

年度内に実施する予定だったシングルセル解析が、予約の都合により次年度に実施することになったため。

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公開日: 2024-12-25  

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