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2023 年度 実施状況報告書

免疫応答におけるcGAS/STING/TBK1経路の新規制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K15398
研究機関獨協医科大学

研究代表者

東 覚  獨協医科大学, 医学部, 助教 (20813702)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード自然免疫 / 自己免疫疾患 / TBK1
研究実績の概要

本研究では、自然免疫応答のシグナルハブ分子であるTBK1に対する分子Xを介した活性制御メカニズムの解明および分子Xの関与が示唆されている自己免疫疾患の病態解明を目的としている。当該年度では、分子Xによる TBK1活性化機構の検証として、HEK293細胞を用いて、分子Xの遺伝子過剰発現細胞および遺伝子抑制細胞を作製し、TBK1を活性化させる合成DNA (poly (dA:dT))等を作用させTBK1シグナルへの影響について検証した。その結果、Xの遺伝子過剰発現細胞では、コントロール細胞と比較してTBK1の活性化 (TBK1の自己リン酸化)および下流分子であるIRF3の活性化 (リン酸化)が増進していた。一方、遺伝子抑制細胞では、コントロール細胞と比較してTBK1とIRF3の活性化は減衰していた。さらに、ヒト単球系細胞THP-1をPMA刺激によってマクロファージ様細胞に分化させ、同様の実験を行ったところ、遺伝子Xを抑制した場合にHEK293細胞で示した挙動と一致する結果が得られた。マウスを用いた実験に関しては、遺伝子Xのヘテロマウスを交配させ同腹子の遺伝子Xのノックアウトマウス (X-KOマウス)とWTマウスの作出を進め、体重、組織重量および組織形態等を比較した結果、X-KOマウスで異常は観察されなかった。また、WTマウスから腹腔マクロファージを採取し分子Xのタンパク質発現を確認した。次年度実施予定であった分子Xの遺伝子抑制細胞におけるTBK1およびSTINGの局在変化について、当該年度に前倒しして実験を実施したが、コントロール細胞と比較して変化は見られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

培養細胞を用いた解析から、分子XがTBK1の活性制御に関与していることを強く支持する結果が得られた。一方で、X-KOマウスを用いた解析については、飼育スペースの関係上、マウスの増産は難しいため実験に必要な匹数を揃えることに時間を要しており、実験計画に遅れが生じている。以上から、研究課題全体として、やや遅れていると認識している。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、遺伝子Xのヘテロマウスを掛け合わせ繁殖を行い実験群の作出を進め、X-KOマウスとWTマウスから単離した腹腔マクロファージを用いたTBK1シグナルの解析として、TBK1およびIRF3のリン酸化レベルの解析とIRF3によって誘導されるI 型インターフェロンであるIFNβの産生量の測定を行い比較検討する。また、分子XによるTBK1活性制御機構を検証するために、RNA-seq解析やプロテオーム解析を新規計画に加える。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの影響で初年度の実験開始時期が遅れたことによって、主にマウスを用いた実験計画全体が後ろ倒しとなっているため、初年度に引き続いて次年度使用額が生じた。また、一部当該年度の実験計画を変更したため、使用額が当初の計画よりも少なくなった。次年度では、当初の実験計画に加えて、今年度に得られた結果から策定した新たな実験を実施する。次年度使用額はこれらの実験計画に使用予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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