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2023 年度 実施状況報告書

シングルセル時空間マルチオミクス解析によるメルケル細胞癌の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K15406
研究機関九州大学

研究代表者

岩崎 健  九州大学, 大学病院, 准教授 (40766185)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードメルケル細胞癌
研究実績の概要

皮膚悪性腫瘍のメルケル細胞癌(MCC)は、約80%でメルケル細胞ポリオーマウイルス(MCPyV)により発癌する。申請者は、、MCCの腫瘍病態を遺伝子変異、遺伝子発現前のエピゲノム異常、タンパク発現・修飾異常にいたる一連の流れを体系的に明らかにしてきた。近年は、腫瘍微小環境に着目し、腫瘍間質におけるIndoleamine 2,3-dioxygenase-1(IDO1)発現が予後不良因子であること、腫瘍細胞においてはMCPyV陽性例と陰性例とでIDO1発現パターンが異なることを明らかにしている。昨年度に引き続きは、PD-L1、T cell immunoreceptor with immunoglobulin and ITIM domains(TIGIT)/CD155免疫チェックポイント経路、制御性T細胞マーカーであるFOXP3に特に着目した腫瘍微小環境の解析を行った。メルケル細胞癌病理組織検体および公開RNA-seqを用いて解析した。免疫染色で各種免疫チェックポイント分子の発現と浸潤する免疫細胞の局在について腫瘍中心部と腫瘍辺縁部に分けて解析を行った。FOXP3については、発現強度によって機能が異なることが言われているため、高発現のものと低発現のものに分けて解析した。まず通常、免疫細胞に発現する免疫チェックポイント分子TIGITがメルケル細胞癌においてAberrantに発現することを見出し、これらが治療標的となりうることを明らかにした。PD-L1の発現は、腫瘍中心部よりも辺縁部で多くCD8陽性リンパ球についても同様であることを明らかにした。さらにFOXP3を発現する免疫細胞の数は、腫瘍辺縁部に中心部よりも多く認められ、浸潤が多いことは予後良好因子であることを見出した。
以上の内容を踏まえて、論文発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、解析が進んでいるため。

今後の研究の推進方策

研究計画に従って進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Clinical significance of the expression of FOXP3 and TIGIT in Merkel cell carcinoma2023

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki Takeshi、Hayashi Kazuhiko、Matsushita Michiko、Nonaka Daisuke、Matsumoto Takamasa、Taniguchi Midori、Kuwamoto Satoshi、Umekita Yoshihisa、Oda Yoshinao
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: 13114

    • DOI

      10.1038/s41598-023-40050-7

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] メルケル細胞癌におけるFOXP3,TIGIT/CD155経路の異常発現と臨床病態の解明2023

    • 著者名/発表者名
      岩崎健 , 林一彦 松下倫子 , 松本崇雅, 宮本拓海 , 大石智恵美, 桑本聡史 , 梅北善久, 小田義直
    • 学会等名
      日本病理学会総会

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公開日: 2024-12-25  

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