研究課題/領域番号 |
22K15420
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 (2023) 東京大学 (2022) |
研究代表者 |
中島 誠 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 助教 (30733232)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | CD30 / CD30L / ATL / HTLV-1 / Genomic instability |
研究成果の概要 |
成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)は、ヒト白血病ウイルス1型 (HTLV-1)感染を原因とし、感染者のうち3-5%が発症するT細胞性腫瘍である。研究代表者は、ATLに対して治療標的となり得る分子としてCD30に注目し、ATL病態進展機序の解明を目指した。本研究では臨床検体を用いた解析を実施し、CD30陽性ATL細胞に対してCD30Lで刺激すると、細胞内活性酸素種およびDNA二本鎖切断を亢進すること、さらに染色体構造変異数を増加させることが示された。これらの結果から、CD30シグナルは染色体の不安定性を誘導することで、新たなクローン進化を獲得した腫瘍細胞の発生に寄与する可能性を示唆している。
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自由記述の分野 |
分子生物学、ウイルス学、血液腫瘍学、神経免疫疾患
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CD30シグナルのオンコシグナルとしての実証は、CD30を標的としたATLの早期治療介入および再発を含むATL治療を支持するエビデンスになると考えられる。本研究により得られた結果は、再発ATLに対して寛解実績のある抗CD30抗体薬物複合体 (ブレンツキシマブ・ベドチン)の適切な投薬時期の検討およびCD30のモニタリングを基盤にした革新的診療体制の構築に資するものとなる。CD30シグナルはゲノム変異を惹起する起点シグナルであると考えられ、病態を悪化させるバイオマーカーとして早期に排除すべき細胞であるというコンセプトが示された。
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