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2022 年度 実施状況報告書

特殊型大腸癌の検出法の確立と腫瘍発生機構の解明による分子標的治療への展開

研究課題

研究課題/領域番号 22K15430
研究機関順天堂大学

研究代表者

山城 雄也  順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (10913105)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード大腸癌 / 融合遺伝子 / チロシンキナーゼ受容体 / 臨床病理学的解析 / 分子病理学的解析
研究実績の概要

大腸癌ではALK, NTRK, ROS1融合遺伝子やMET exon14 skipping(MET ex14s)などのチロシンキナーゼ受容体異常が報告されている。研究代表者は近年進行大腸癌におけるNTRK融合遺伝子陽性腫瘍の臨床病理学的特徴をまとめたが、これらの腫瘍の発生頻度は低く臨床病学的意義はよくわかっていない。今回進行大腸癌においてNTRK以外にALK, ROS1, MET ex14sの探索を行い、臨床病理学的特徴をまとめた。944人からの得られた951例の進行大腸癌に対し、Tissue microarray (TMA)を用いてALK, ROS1, METに対する免疫染色 (IHC)を行い、ALK, ROS1のIHC陽性例には, RNAを用いた遺伝子不均衡発現解析とARCHER fusion plex解析/RT-PCRとSanger sequencingを行た。c-MET IHC 3+となった症例には, RT-PCRとSanger sequencingを行った。ALK IHCは3例(0.2%)に陽性となり、そのすべてにALKの遺伝子不均衡発現を認めた。アーチャー解析の結果、以下の融合遺伝子を認めた:EML4(exon21)-ALK(exon20), EML4(exon6)-ALK(exon19), HMBOX1(exon6)-ALK(exon20)。これら3例中2例は、MSI-high/mismatch repair(MMR) deficientを示し、すべての症例が右側大腸発生であった。ROS1 IHCは1例のみに陽性でROS1遺伝子の不均衡発現やROS1融合遺伝子はみられなかった。c-MET IHC 3+は42例(4.4%)で、そのうち9例にMET ex14sを認めた。これら9例はすべてがMSS/MMR proficientで8例が左側大腸/直腸発生であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在、研究成果の一部を学術論文としてまとめ、国際学術誌に投稿中である。また、追加で進行大腸癌のTMAを作成しており、これらに対しても同様の検索を行い、さらに大規模での疫学的解析を行う予定である。

今後の研究の推進方策

対象とする大腸癌の症例数を拡大し、免疫染色を用いた解析をさらに進める。対象とするチロシンキナーゼ受容体もNTRK, ALK, ROS1, METの他にも拡大していく。

次年度使用額が生じた理由

遺伝子不均衡発現解析やチロシンキナーゼ受容体異常を有する大腸癌のさらなる解析(微小環境など)の解析を行うために、まとまった研究資金を使用する予定であったため。

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公開日: 2023-12-25  

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