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2023 年度 実施状況報告書

神経変性疾患における疾患抑制性血管周囲線維芽細胞の機能解析と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K15440
研究機関名古屋大学

研究代表者

白木 之浩  名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (40804753)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード神経変性疾患 / 血管周囲線維芽細胞 / Meflin
研究実績の概要

本研究では、アルツハイマー病(AD)および筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態において疾患抑制性と考えられるMeflin陽性血管周囲線維芽細胞の機能を明らかにし、同疾患群の早期病態を解明するとともに治療シーズを開発することである。
当該年度に実施した研究としては、ALSのマウスモデルとMeflin欠損マウスを交配させ表現型の検討を行ったが、麻痺などの神経症状発症時期に明らかな差を見出すことはできなかった。更に、マウスから得られた脊髄における組織学的な所見についても、神経細胞の減少数やミクログリアの増加などには違いがなく、ALSマウスモデルにおけるMeflin分子の重要性を示す証拠は得られなかった。
また、ADのマウスモデルとMeflin欠損マウスを交配し、ADマウスモデルでの表現型の検討した結果、アミロイドβの沈着が予想に反してMeflin欠損マウスで少ないという結果が得られた。疾患抑制性と考えていたMeflinの機能が、むしろ疾患を増悪している可能性があることがわかった。
ヒト検体でのMeflin陽性細胞の局在の検討では、主に髄膜における線維芽細胞で陽性細胞が確認され、神経変性疾患においてMeflin陽性細胞が増加している症例が認められた。しかし、検出できない症例も比較的多く、コントロール症例においても増加している症例も存在していることから、病的状態で増加するという結論には至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ALSマウスモデルとMeflin欠損マウスを用いたMeflin分子の機能解析については、表現型を見出すことが出来ず、ADマウスモデルを用いた結果は予想とは異なるものであったため、仮説を立て直す必要性がある。

今後の研究の推進方策

ADマウスモデルでの表現型として、より長期期間観察した場合にもアミロイドβの形成がMeflin欠損マウスで減少するかどうかの検討を進めていく。また、アミロイドβの形成が阻害される原因としてミクログリアなどの関与が疑われるため、ミクログリアとMeflin陽性細胞との相互作用も検討していく。

次年度使用額が生じた理由

学会参加などの旅費が少なかったため。また、研究室内の既にある試薬を使用したり、試薬の調達の方法の工夫などにより、当初計画より経費の使用が節約できたことにより生じた未使用額等が含まれます。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Intracranial Expression of Mesenchymal Stem Cell (MSC) Marker, Meflin2024

    • 著者名/発表者名
      白木之浩
    • 学会等名
      第113回日本病理学会総会

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公開日: 2024-12-25  

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