今後の研究の推進方策 |
hPIV2のV蛋白が他のアポトーシス関連蛋白にも影響を与えているかをさらに検討していく。アポトーシス経路において代表的な蛋白であるcaspaseは、アポトーシスを実行する実行型のcaspase-3, 6, 7と、これらを活性化させる誘導型のcaspase-2, 8, 9, 10が存在している。今年度までの研究で、V蛋白がミトコンドリア系のアポトーシスを阻害した結果、caspase-3/7の活性が抑制されていた。そこで、V蛋白がcaspaseとも結合することで、アポトーシスをさらに抑制しているのではないかと考え、caspase-2, 3, 6, 7, 8, 9, 10 の発現プラスミドを作製し、V蛋白とのIPを行い、結合を検討する。また、PIV2/wtやrPIV2/Vmutを感染させ免疫染色を行い、caspaseの細胞内局在が感染によって変化するのかも検討する。さらに、PIV5やムンプスウイルス、センダイウイルスや麻疹ウイルスなどの他のパラミクソウイルス科のV蛋白も14-3-3εやBadと結合するかを調べ、共通点や相違点を明らかにし、ミトコンドリア系のアポトーシスのメカニズムを解明する。
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