研究課題
クローディンー3の喘息における役割解析のため、クローディンー3欠損型マウスを用いて卵白アルブミン誘導性喘息モデルを作成し表現型を評価した。クローディンー3欠損型マウス喘息群ではクローディンー3野性型マウス喘息群と比較し、予想に反して気道過敏性が低下することを見出しており、さらに気道肺胞洗浄液中の好酸球数も低下していた。気道肺胞洗浄液中のタイプ2サイトカインIL-4,IL-13はクローディンー3野性型マウス喘息群と比較しクローディンー3欠損型マウス喘息群で有意に低かった。血清中の卵白アルブミン特異的IgEは、卵白アルブミンの感作相(腹腔内投与)ではクローディンー3野性型と欠損型で差を認めなかったが、曝露相(経気道投与)ではクローディンー3欠損型で有意に上昇が抑えられていた。そこで気道上皮に注目し、気相ー液相培養法を用いてマウス初代培養気道上皮細胞をin vitroで気道上皮に分化させた。分化気道上皮の細胞間電解質透過性を細胞間電気抵抗値を用いて評価した。クローディンー3欠損型マウスでは野性型と比較し、細胞間電気抵抗値は低下し電解質透過性は上昇していた。しかし蛍光標識デキストラン(4kDa、20kDa、40kDa)の透過性はクローディンー3欠損型と野性型で差を認めなかった。上皮には樹状細胞は上皮細胞間に腕を伸ばし直接抗原を取り込む機序がある。樹状細胞の活性化や抗原取り込み能をLPS、卵白アルブミンを用いて検討したが、クローディンー3欠損型と野性型で差を認めなかった。樹状細胞と上皮細胞間でもクローディンー3介したタイトジャンクションが形成されるため、樹状細胞の上皮への侵入や腕の維持にクローディンー3が重要と考えられた。
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