分子標的治療薬は特定の遺伝・分子プロファイルを有する腫瘍において、高い治療効果を示すことが知られているが、奏効が得られない患者も存在する。初期治療抵抗性の機序の解明・克服は、分子標的治療におけるより深い奏効を可能とし、生存予後の改善も期待できるため、多くの研究が進められている。 本研究では、RET異常がんにおけるRETチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)によって誘導される治療抵抗性として、YAP-HER3軸を見出し、治療標的となることを初めて明らかにした。臨床応用されればRETがん患者の予後を改善させる事が期待出来るが、安全性・有効性のさらなる検証が必要である。
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