研究課題
神経芽腫(NB)は、神経堤細胞(NCC)に由来し、交感神経への分化の過程で発生する悪性固形腫瘍である。NBの悪性化と相関する遺伝子異常はMYCN遺伝子の増幅であるが、それに加えてTP53パスウェイ異常等が同時に起こることでさらに悪性化すると考えられている。また、NCCは主に頭部NCC(cNCC)と体幹部NCC(tNCC)に分けられる。これまでの知見からNBはtNCC由来と考えれているため、本研究においてもtNCCへの分化誘導を行い、MYCN高発現/TP53変異の組み合わせで、免疫不全マウス皮下での腫瘍化を試みてきた。しかし、現在のところ腫瘍化の傾向は見られない。また、cNCCにおけるMYCN高発現、およびNBにおけるがん遺伝子として知られているALK高発現の細胞株を作製し、免疫不全マウス皮下に移植すると、NBの特徴を示す病理結果および分子的な結果を得ることができた。
2: おおむね順調に進展している
cNCCからNB-like細胞を作製することができているため、順調に進んでいる。
tNCCにおいては、NB-like細胞の作製には至っていない。そのため、cNCCと同様に、tNCCにおいてもMYCN高発現、ALK高発現の株を作製し、免疫不全マウス皮下移植での腫瘍化を目指す。その後、NBの特徴を解析し、cNCC由来NBとtNCC由来NBを比較検討する。
これまでと同様に、研究経費の多くは解析用消耗品費にあてられる予定である。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Practical Laboratory Medicine
巻: 37 ページ: e00335~e00335
10.1016/j.plabm.2023.e00335
Environmental and Experimental Botany
巻: 213 ページ: 105412~105412
10.1016/j.envexpbot.2023.105412
BMC Cancer
巻: 23 ページ: 1~13
10.1186/s12885-023-10772-y