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2023 年度 実施状況報告書

移植後シクロフォスファミド療法の作用機序の解明に基づく免疫抑制療法の最適化

研究課題

研究課題/領域番号 22K15561
研究機関大阪公立大学

研究代表者

幕内 陽介  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (70881176)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード移植後シクロフォスファミド / 同種抗原応答性T細胞
研究実績の概要

本研究課題では、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(GVHD)を予防するための免疫抑制療法として臨床現場で既に実用化されている、移植後3・4日目にシクロフォスファミドを投与する免疫抑制療法(移植後シクロフォスファミド療法:PTCy)が、ドナー由来リンパ球によって引き起こされる移植後のGVHDや移植片対白血病効果(GVL効果)といった同種免疫反応に与える影響やその免疫学的メカニズムを解明するとともに、最適化されたPTCyの条件を明らかにすることを目的としている。
2022年には、PTCyがGVL効果及びGVHDの減弱に関与しており、同時に、同種抗原応答性のドナー由来PD-1陽性CD4あるいはCD8陽性T細胞も減少させることをマウスの移植モデルを用いて明らかにしたところであり、2023年においては追加実験による論理的補強を行うとともにこれを論文化して、査読付き雑誌において報告した(Exp Hematol. 2023 Jul:123:56-65. doi: 10.1016/j.exphem.2023.04.003.)。
また、ここまでの実験結果を踏まえて課題になっていた移植実験系の不安定さを改善するため、本研究課題の達成に必要な動物実験系の詳細条件について再検討し、前処置に用いる放射線線量やドナーマウスの週齢を見直した。これにより今後、B細胞や制御性T細胞といった他の免疫細胞において解析を行うにあたり、今まで以上に効率よく、かつ迅速で安定した実験を遂行することが可能になると見込まれる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究で得られた結果を一部報告するとともに、研究目的を効率的に達成するために必要なモデルの改良を行うことができた。研究計画は順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

2024年では、2023年度までの結果を踏まえ、種々の免疫細胞における移植後の動態を効率的に評価するために必要な機材の導入を行い、PTCyがGVHDやGVL効果に影響を与えている免疫学的メカニズムの解明を推進する。明らかにしたメカニズムをもとに、GVL効果の減弱を抑制しながらもGVHDを減弱することができる、最適化されたPTCyの条件に関する検討を目指す。

次年度使用額が生じた理由

研究計画をより効率的かつ厳密に遂行するため、次年度使用額相当(約50万円)の自動細胞数測定器の購入を計画していた。購入の手続きに時間がかかり、年度内に納品するに至らなかったところ。2024年度には当該年度の助成金と合わせて、機器の購入を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Posttransplant cyclophosphamide contributes to the impairment of the graft-versus-leukemia effect and the amelioration of graft-versus-host disease with the suppression of alloreactive T cells in a murine stem cell transplant model2023

    • 著者名/発表者名
      Makuuchi Yosuke、Nakashima Yasuhiro、Nishimoto Mitsutaka、Koh Hideo、Hino Masayuki、Nakamae Hirohisa
    • 雑誌名

      Experimental Hematology

      巻: 123 ページ: 56~65

    • DOI

      10.1016/j.exphem.2023.04.003

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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